満足度★★★★
相剋の双牙篇
亡国篇のラストシーンに到達するのがエラく早いと思ったら、その後40分くらいに亘って「後日譚」とか「エピローグ」のレベルではない新たな歴史が刻まれるシーンがあり…
亡国篇では「ストーリー的にではなく芝居的に今ひとつけりが付かない」「句点がつかないままなのが残念」と感じたが、それもそのハズ、あちらのラストは「一見」落着、あるいは「一件落着、他件継続」にすぎなかったワケで、やはりσ(^-^) の感覚は正しかったのか、みたいな。(エヘン!)
なるほど、他の2バージョンもののように交互上演にせず、一方が終わってからもう一方を上演するワケだわさ。
ツムギの物語としては確かにあの時点で終わったけれどオウカの側にはまだその後のドラマがあったワケで、相剋を先に観てから亡国を観ると、露骨に「途中までで終わった」感が残るもんね。
両篇を併せて途中休憩も入れても3時間~3時間半で収まるハズなので、いつかそんな「一気観バージョン」も上演すればイイのに。
また、亡国に不満が残ったことについて、あくまで一般論ながら「主人公あるいは中心人物の生命を代償に平和が訪れるというのは正しい解決方法ではなく、むしろお涙頂戴も狙った安易(←言い過ぎ)な結末ではないのか?」という想いがσ(^-^) の中にあるからではないか、と気付いたりも…。
満足度★★★
亡国の爪牙篇
日本の戦国時代によく似た架空世界の対立する2つの陣営を描いており、こちらと「相剋の双牙篇」とがそれぞれの陣営の視点で描いており表裏一体の仕組み。
で、かつての友人が対立する陣営に分かれる、という構図にキラとアスランを連想しつつ(そう言えば衣裳も青系統と赤系統だし…(笑))、若干のお約束的な展開も含めて時折ユーモラスな部分も交えたストーリーに引きこまれ、あんな若者たちが殺しあった時代に思いを馳せる。
ただ、C.イーストウッド監督・主演の『グラン・トリノ』とも通ずる終わり方は悪くないが、ストーリー的にではなく芝居的に今ひとつ「けりが付かない」(←文字通り)感覚で「お爺さんとお婆さんは仲良く暮らしました………」みたいに句点がつかないままなのが残念。
音楽でのデクレッシェンドやフェイド・アウトならまだしも、芝居でこうだとちょっと締まりがない感じなんだよなぁ。(どうした、きだつよし!)