満足度★★★★
独自の世界を展開
3月に谷中のギャラリーで上演されたものの再演(一部改訂も?)、瀬戸内寂聴の「女人源氏物語」と田辺聖子の「春のめざめは紫の巻 新・私本源氏」をベースにリーディングと芝居の中間的な独自の世界を展開。(そもそも「リーディング」が朗読に近いものから芝居に近いものまで幅広く指すのでエラく曖昧だが)
今回は前半の瀬戸内パートの「本編内容が古典の授業」という劇中劇スタイルをとりつつも、終盤で授業シーンに戻ってもまだ本編の人物がチラホラするという「胡蝶の夢」的な処理にニヤリ。この「胡蝶の夢」系も好きなパターンなのでついつい頬が緩んでしまう。
もちろん短歌にメロディをつけてミュージカルっぽくするという趣向も面白かった。(しかも伴奏がウクレレとリコーダー、オカリナだし…)
あと、谷中の時に気付かなかったこととして、田辺パートで関西弁を使っており、しばし「田辺聖子らしいなぁ」と思ったものの、考えてみると京が舞台なので関西弁で当然だったのね。
で、開演前と終演後には料理と飲み物も供されてさながらホームパーティーのオモムキ…どころかむしろホームパーティーそのままで、演ずる側と客あるいは客同士の交流の場になるのもここでの公演ならでは。