満足度★★★★
倉多江美の短編をも想起させる
「理想の生活」についての文章を書かなくてはならないのに筆が進まない主人公が「具体的に思い浮かべてみれば?」という夫の助言に従ったところ、「勝手にしやがれ」を歌う太めのジュリー(笑)に続いて1万円をせびる妹やどう見ても全裸の人間なチワワ(爆)も現れ…という物語、『ジュマンジ』のように実際に現れるというよりは主人公が妄想の中に入り込み過ぎたってところか?
前回公演のリアルなタイプとは対照的な、倉多江美の短編「物語をコントロールできなくなった漫画家の悲劇」(「一万十秒物語」所収)をも想起させるシュール系、これも愉快。
特に主人公の気の弱そうな表現が、いかにも妄想の中の人物たちに手を焼きそうで、ある意味リアリティを与えていた、みたいな?
あと、ラストは原稿用紙が乱舞して散らかされ、その散らかり具合は前回の冒頭同様、他人事ではなく身につまされる(爆)。