ほどよいファンタジー
山奥ではなく東京の下町を舞台にした妖怪とまじない師の物語。東京という街は日本で一番先進的な都市であるがゆえに、こういった超常現象を絡めるのも絵になる。極端なところでは『帝都大戦』などが有名だろう。元々はミスマッチを狙ったのかもしれないが、むしろファンタジー色がほどよく中和されている。
「ISIS(自立不能舞台装置システム)」と名付けられた“俳優が支えていないと倒れてしまう舞台装置”は、不安定だからこその躍動感があって好印象だった。おじさんを演じた坂本和彦の風貌はとても役に合っていたが、対立するまじない師を演じたバビィはもうちょっと冷たい雰囲気があると良かったように思う。