THE DEEP ~深き淵にて~ 公演情報 THE DEEP ~深き淵にて~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 満足度★★★★★

    懐かしいったらありゃあしない
    7週間前に消息を絶った海洋探査船を捜索していたサルベージ船が当該船を発見したが、34人いたはずの乗組員の姿は見えず…という状況から始まるSFホラー。
    劇中に「そんなB級ホラーみたいな話、あるワケないでしょう」なんて台詞が出てくるし、チラシでも宣言している通り、B級SFホラーのド真ん中、かつて東京12チャンネル(当時)の木曜洋画劇場などで観た作品群のニオイがプンプン、そこにゾンビものの香りもちょっぴり加味されて懐かしいったらありゃあしない。
    で、あちこち「お約束」的な部分があり、そんな中で「それは今は聞かないでおこう、帰りの船で聞かせてくれ」などというのは「死亡フラグ」を下ろしたな、とニヤリ。が、考えようによっては死亡フラグを立てたことにもなるんだな。「それさえ口にしなければ帰りの船で聞くことができただろうに…」なんて。
    また、もともとコメディリリーフ的なキャラがいる上に終盤で笑いが増えるのが独特で、最終場で暗転明けに「侵略者(侵食者?)」の弱点である赤外線を「被害者」たちが自身であてているの図が可笑しくも哀しい。
    さらに海が深くなるにつれて届く光の波長が減ってゆくという劇中の説明をふまえたラストの照明の変化も見事。
    海洋探査船の船室(と言うよりは船倉に近い?)を再現した装置もよくできており、登場人物の大半が開場前から初登場シーンまでの間は舞台(装置)上方の空間で待機というのがまたスゴい。

  • 満足度★★★★

    力に満ちた、けれんに魅せられて
    がっつり作られた舞台上で、
    標榜されたとおりの
    SFホラーが展開されていきます。

    お芝居にダレがなく
    高い密度をもった舞台から目が離せない・・・。

    観客を取り込む力に溢れた
    エンターティメントでした。

    ネタバレBOX

    物語の骨組がしっかりと組まれていて
    観る側がそのまま舞台の世界に持っていかれるような感じ。

    いきなり舞台の上部からあらわれる登場人物たち、
    その臨場感にまずやられた。
    その後も観客をドキドキさせるような外連があり
    観客に息をつかせぬ物語の見せ方があって
    舞台に醸成された空気が
    観客の好奇心というか探究心を
    どんどん煽っていきます。

    「それ」に侵された役者たちが作り出す
    さまざまな違和感がすごくよくて、
    救助にやってきた側の感覚と
    観客に湧き上がる思いがしっかりとシンクロしていきます。

    舞台装置も目を見開くほどにがっつり作られていて
    役者の芝居が映える。
    音響や照明にもしっかりと切れがありました。
    「それ」から逃れる側の秀逸なお芝居が醸し出す恐怖や緊迫感が
    もれなく観客に伝わってくるのです。

    物語の根底となるロジックに説得力があるから
    後半の舞台にがっつりとふくらみが生まれて・・・。

    ほんと、見ごたえのある
    エンターティメントでありました。







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