花は流れて時は固まる(BATIK) 公演情報 花は流れて時は固まる(BATIK)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
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  • 満足度★★★★

    当日パンフには『生命讃歌』とあるけれど、
    自分には圧倒的な『女性讃歌』にしか思えなかった。痛みや束縛すらも、こんなに肯定しちゃうのかあ。なんだか、自分が子供を産めないことを悔しくなったりも。

  • 満足度★★★★★

    圧倒的
    ジェンダーによって共振するものが異なるのではと思いました。

    でも、そうであっても、男性の私が観ても圧倒的な舞台。強く、時に放埓で、あるいは繊細で、しかも気が遠くなるほど深淵で。

    3回ぐらいのカーテンコールでは、とても受け取ったものには及ばない気がしたことでした。

    ネタバレBOX

    きっと、女性だからこそ共振し理解できるものが含まれていると思うのです。もしかしたら、手に溢れるような花びらを抱える女性の感覚にくらべると、男性のコアに降りてくる感覚は、前方に張られた水の底に沈む花びらの重さくらいのインパクトなのかもしれません。

    でも、そうであっても、舞台からやってくる物には大きく揺すぶられました。
    女性が生まれ、育ち・・・。幼い日や思春期までのルーティンの具象にも思える回転から、やがて、自由奔放な動きに広がっていく姿。そして初めての水とのふれあい。

    集められ水に投げ入れられる蒼い花びら状のものは、哀しみや痛みにも思えて。一方で脚に鈴をつけて踊り、水に入るその姿に、女性のときめきを思う。
    泣きつづける子供をあやし疲れ、後方の空間が電飾に飾られるほどの享楽に身をおき、或いは再び花びらを水に流すほどに痛みを覚え・・・。生きる悦びと痛みをくりかえしていく姿のひとつずつが、洗練され、しかもあからさまなインパクトをもった刹那として観る側に伝わってきます。

    ダンサーがシークエンスで表現する、鼓動を感じるようなひとときの力強さに心を奪われ、被り物によって具象化された世界のどこかシニカルな匂いに、表現の洒脱さを感じる。

    その中で、水の底から鈴の鎖をひろい、首にかけて、青い花びらのない胸で
    水の中でのダンスを踊りつづける女性の存在にも目を奪われました。女性の悦びや哀しみの時間をいくつもいくつも跨ぐマラソンのようなダンスに、女性の人生分の業ようなものを感じて・・・。

    そしてダンスを止めた彼女の躯が、蒼い花びらの詰まった袋で打たれつづけるその響きにも息が詰まりました。

    女性の生きる姿が示されて。でもそれだけでは終わらない・・・。
    終盤の輪廻を思わせるような、数知れない女性のジェネレーションの俯瞰にも目を見張りました。
    誕生し、生きて、旅立つ。その抱えきれない程の刹那の連続が、曼荼羅のように広がっていく感覚に、もう胸が苦しくなって。

    終演のとき、
    舞台上に具象化された時間の表現の深さと豊かさに凌駕されました。
    ダンサーたちの時間を背負いきるパワーと表現の意志に頭が下がりました。
    照明(スピンするダンサーが作るシルエットには目を奪われた)や舞台装置にも創意がいっぱい。

    でも、これほど強く揺すぶられたにもかかわらず、この作品において、男はやはり観客の位置にいるのだと感じたり・・・。
    神が創りし男と女のこと、そしてそれぞれがながめる水の感覚がきっと違うことなど、風に吹かれて歩く板橋駅までの道すがら、ずっと頭から離れませんでした。
  • 満足度★★★★★

    BATIK初見
    黒田さんのソロは見たことありましたが、カンパニーは初見。凄すぎ。感想はトラックバックしました。

  • 戸惑う
    5年前の初演も見てはいるのだが、その内容をほとんど忘れていることに再演を見ながら愕然とした。さらに驚きだったのは、初演ではそこそこ面白いと思えたはずの作品が、再演ではまったく面白いと感じられなかったこと。この5年間で自分の嗜好がすっかり変わってしまったのか。それとも作品そのものが初演時と違っているせいか?
    初演と再演でこれほど評価が変わるというのは個人的にはきわめて珍しい。

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