満足度★★★
好みのスタイル
筆が進まず悩んでいる女流作家のもとに瓜二つの女性が現れ…という、一見サスペンスのようでいながらコメディ色も濃く、しかも多重入れ子構造というのは好みのスタイル。
劇中小説(以下「小説」)の内容も舞台で演じられ、そこに劇中現実(以下「現実」)の人物も入り込み、小説の主人公が最後に立ち向かうものが現実の主人公の境遇と合致している(作家が自分を小説に反映させるのだからフシギはないんだが)なんてのが上手いし、実はそれらがすべて現実の主人公の幻想(あるいは夢)だというのが面白い。
夢野久作の「ドグラマグラ」もちょっと連想したりして。