満足度★★★★
初演に思いをはせて
もっと早く書きたかったんですが、団体名キーワードをフェスティバルやトーキョーで入力しても検索に出てこないもので見逃してしまってたんです。
秋公演を観たいに登録したので、さかのぼって書くことにしました。
初演の「少女仮面」は吉行和子、白石加代子によって演じられたそうです。
今回の公演を観て、初演を観たかったなーと思いました。
吉行和子は当時、反新劇のノロシをあげていたアングラ劇に出ることを決意して「民藝」を去ることになったのです。
新劇界の重鎮で民藝の主宰であった宇野重吉が「そんな芝居に出ても何の得る物もないよ」と大反対したそうです。宇野の秘蔵っ子として「アンネの日記」の主役に若くして抜擢された吉行はどんなに悩んだことでしょう。
この「少女仮面」により、彼女の新たな女優人生が始まったともいえましょう。
「時はゆくゆく 乙女は婆アに、それでも時がゆくならば、婆アは乙女になるかしら」(「少女仮面」より)
何と美しいことばでしょう。
公演に関った学生の多くが、この芝居のテーマは「肉体と心」だと述べている。まさにそう。でも、そのテーマをこんなに素晴らしい劇に仕立てた唐十郎は凄い。
2008年、「アプサンス」(2010年再演が決定)で舞台を去ることを決意した吉行和子は老女と少女の同居した難役ジェルメーヌをみずみずしく演じました。「アプサンス」も「肉体と心」を描いた作品。
その記憶が残る中で、大学生たちの「少女仮面」を観たのです。
満足度★★★★
初・唐さん。
無理して行った甲斐がありました。良かったあ~。人形役の難波有さんのなりきりにビックリ。目の瞬き、口を閉じたときに一回ですよね。魅入りました。
1000円は安すすぎるでしょう。