満足度★★
内容的にも「小粒」な感じ
片田舎(だと思う)の小さな郵便局に強盗が押し入り…という犯罪コメディ、鈴置洋孝プロデュース時代から通じて一番コメディ寄りなのはともかく、ハートウォーミング要素が少ないのはやや不満。
それに加えて内海賢二が声だけの出演というのは事前に知っていたけれど、麻生美代子も比較的出番が少なく、90分という上演時間だけでなく内容的にも「小粒」な感じ。
そもそも強盗立てこもり系のコメディではショーマの『バンク・バン・レッスン』など傑作があるワケで…。
とは言え、コンパクトなサイズでそこそこ笑えたから、まぁよしというところか?
満足度★★★★
幸せになってね
強盗が人質と共に立てこもった郵便局という一種極限状態のはずの場所で、どこかとぼけたやり取りが続く。郵便局員やアルバイト、客、そして強盗も、それぞれの事情を抱えた中での微妙に噛み合わない会話がおかしい。その上、予想外の飛び入りがあったり、ピザを取り寄せて腹ごしらえをしたり。
どの役者さんも達者で観ていて安心感があったが、特に麻生美代子さんが演じたおばあちゃんが素敵だった。
ボケてしまっているのかと思ったのに、話が進むに連れて鋭いセリフが次々と飛び出してきて、終盤、郵便局を出て野次馬相手に演説する声を聞いたときなどは、笑いながらもなんとなくジンときてしまった。
何度も笑わせながら、夫婦の間の心の機微や、職場恋愛の葛藤、家族への愛情などが描かれていく。観ているうちに、最後はホロリとさせられてしまった。
ごく普通で、そしてちょっと変な人ばかりなのに、それでもみんな一生懸命なのが少しせつなくて。できればこの後、みんなどうにか幸せになって欲しい、そんな気分になった。
満足度★★★
よくまあ、あの設定で、時間をもたせたものだ
よくまあ、あの設定で、時間をもたせたものだ。
その分、実はこうだった、あぁだったというドタバタ設定が次から次へと出てきて、意外に飽きることなく時間が過ぎていった。
「オンリー・ユー」(そゆ名曲あるよね)的なハートな会話もあるのだけど、涙するほどじゃない。