実演鑑賞
満足度★★★
う〜ん・・・保守的な話だと思いました。
生まれた土地に縛られて、出ていく夢をみつつ、結局そこに戻っていく、そのことを肯定する。
そこに皮肉があればいいんですけど、、、。
原発事故の後の生き方は、この社会を変える可能性はないってことなのかなと思ってしまいました。
あと、ちょっと長すぎるかな。
沖縄出身の人の役の方はとてもよかったです。
実演鑑賞
満足度★★★★
当日パンフの役者/役名の筆頭に二役を担う女性の役名が、若い世代らしい名と、カタ仮名で人ならぬ存在を思わせる名、まだ見ぬ内から劇世界が脳内に立ち上がる。そのイメージ通りの少女が思いきり駆け回る開幕から、「シアトルへ」の物語が坂手氏独特の筆で紡がれていく。
福島のとある酒蔵が震災で破壊された事実と、再生に向かう瞬間とをつなぐ間隙に、実はフィクションであるシアトル話が据えられ、被災者の暗中模索の過程を「シアトル」を巡るお話に代弁させる構造になっている。
津波で兄を失った主人公は、舞台上に二つ置かれた醸造用タンク(木製?)の中から、少女が呼ぶと顔を出す。兄は杜氏であった。最初どちらが死者か判らなかったが、弟である彼は生存する者で、少女は兄の娘(姪)、津波の犠牲者である。弟の幽霊然とした佇まいは、酒造への思いを持ちながらもふらふら彷徨う所在ない姿と重なるが、最後に彼は亡兄と酒造への思いを、震災以来日本各地の酒蔵を巡った体験と共に吐露し、福島で跡取り無く今や観光スポット化した酒蔵の持主から蔵の提供を申し出られる大団円に結実する。
途中坂手特有の分割説明台詞(ダイアローグでなく説明的文章を俳優が分担して喋る)の長い展開もあって、台本の上がりが遅かったのだろう(トークでも「筆が遅い作家」と自称)俳優の台詞リレーが綱渡りのようで危うかったが、終局でパズルが揃う様は見事。属性の不確かであった人物の関係図も出そろい、新たな酒蔵の船出を劇場全体で祝い、福島が負った傷と、その後が報じられない現在へ思いをはせる時間となる。坂手氏の「意図」は十分汲め、静かに胸に迫る舞台となった。
実演鑑賞
満足度★★★★
坂手洋二の舞台は、あまり知られない事実に基づいて書かれていることが多いが、今回は、はじめからフィクションだと断ってある。
先の東北地震災害で、生産拠点である酒蔵を流された地元の醸造業者が再生に向かって進むストーリーだ。その再生の方途として海外での日本酒の醸造を探る。劇中、その可否について、そこは今までの坂手の舞台と同じく、さまざまな情報が描かれている。
醸造という産業では測れない多くの歴史的、地域的問題もあって、問題点はうなずけるが、実際に当面する問題と、ドラマで見る葛藤とではずいぶん違う。突然の災害に出会った地域に住む人たちにとっては共通の問題だろうが、それが言わばローカルで止まるのが作者にとってはもどかしいものだったようだ。今回は従業員も数名という酒蔵を世界的な広がりの中に出してみる、という意図はわかるが、それなら、このおなじみのドキュメンタリー証言形式がよかったかどうか疑問が残る。もっと思い切ってフィクションに寄った方が、もともと劇的構成については長けている作者だけにパンチがあったのではないか。
実演鑑賞
満足度★★★★★
久しぶりに燐光群見ました。精緻な構成、鋭い批評性と遊び心を忘れぬ世界。福島に生きる人々の祈り、死者の祈りが聴こえてくるような舞台でした。明日まで、おススメです。
実演鑑賞
満足度★★★★
座席1階
なぜ仮題となっているのかは、劇の最終盤で示される。珍しいタイトルだが、まさに、地震・津波や原発事故で痛めつけられた福島を象徴する主題だとわかる。
物語はフィクションだが、極めてリアリティーの高い描かれ方をしている。それは、背景にある原発事故を政府が「アンダーコントロールされている」と強弁したところや、放射能で汚染された古里の土地についての地元の人の思い、試行錯誤の観光振興の取り組みなど、現実世界をベースに描かれているからだ。それは、この物語を構想した坂手洋二さんの真骨頂なのだろう。
津波や原発事故で廃業の危機に直面している浜通りと中通りの酒蔵が、お互いに手を取るようにして米シアトルで日本酒づくりをするという夢のような物語だが、実現したら本当にいいだろうな、と思う。現実にはこの物語でも描かれた酵母菌だけでなく、コメ、水をどうするのかということになる。カリフォルニア米はあるものの、日本米のように日本酒になったときに深みのあるあじわいを保てるのか、水の質も違うだろう。でも、それを乗り越えて生きようとする人たちの姿はとても力強い。半面、原発事故の罪深さを浮き彫りにしている。
舞台の左右に大きな酒の樽が鎮座する。これが、福島第一原発でメルトダウンした炉心を冷やすために使われた後の汚染水タンクとオーバーラップしてとても興味深い。造り酒屋の樽でなく汚染水タンクが果てしなく連なる現実を悲しまずにいられない。
実演鑑賞
満足度★★★★★
さて今回は、今作のタイトルをどのように読むか? から始めよう。作家の念が込められたタイトルであることは歴然としているだろうからである。読みは「シアトルのフクシマ・サケ カッコカダイカッコトジル」と読む。つまり(仮)は変更の可能性があるかも知れないので付いている訳では無く正式なタイトルの一部なのである。その理由が何か? については作品を実際に観てお確かめ頂きたい。(華5つ☆)ベシミル! 追記後送
この公演に関するtwitter
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今回の裁判について記事にして頂きました。最初の会見から第一回期日の流れを丁寧に書いていただいたのと、燐光郡の主宰で演出家の坂手洋二さんにもコメントを頂いております。是非ご覧頂けますと嬉しいです、宜しくお願い致します。(知乃) https://t.co/MuzO8awnJt
約3年前
岡山の私たちにとって、東北は必ずしも身近とは言えません。 しかし、優れたフィクションが、福島とシアトル、我々を結び付けてくれるでしょう。とても楽しみです。 河合穂高さんから『シアトルのフクシマ… https://t.co/P1w7UO1ZfE
約3年前
東京公演㊗️千秋楽 『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』 座•高円寺での 10日間は完走しました🏃♀️ 観に来て下さった皆さま、 ありがとうございました🙇♀️ 12月からは旅公演🎄 岡山▶︎名古屋▶︎伊丹🔥 最後まで… https://t.co/r7kzuDmF3N
約3年前
燐光群公演「シアトルのフクシマ・サケ(仮)」観劇。タイトルの“仮”が気になっていた。この“仮”の中には深い意味があることがあとで分かった。10年前の思いが走馬灯のようによみがえり、胸が熱くなった! もし“鬼鯨”が本当にあるなら一口… https://t.co/BPUjsXb036
約3年前
燐光群『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』@座・高円寺1 先日、観! 日本を客観視する体験になった気がする。土地や人に染み付いたものを。最後の静かな迫力に痺れた。 ほぼ親族の登場人物達を私がぱっと整理しきれず、内容に集中できない所… https://t.co/GMJ5atLIOt
約3年前
燐光群公演「シアトルのフクシマ・サケ(仮)」観劇。タイトルの“仮”が気になってい。この“仮”の中に、深い意味があることが、最後に分かった。10年前の思いが 走馬灯のようによみがえり、胸が熱くなかった。“鬼鯨”が本当にあるなら一口の… https://t.co/5SxqIUQ7oc
約3年前
東京公演終了! 『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』はこの後、各都市に参ります。お見逃し無く! 岡山:12月5日(日)岡山市立市民文化ホール 名古屋:8日(水)・9日(木)愛知県芸術劇場 伊丹:11日(土)〜13日(月)AI・HA… https://t.co/xSWHagiyVu
約3年前
第27回劇作家協会新人戯曲賞。 最終審査員は、赤澤ムック、川村毅、坂手洋二、瀬戸山美咲、佃典彦、横山拓也、渡辺えり。 司会は関根信一。 12/12(土)、審査会は17:30ー20:00、授賞式は20:10-20:30。 審査会の… https://t.co/TsVdQXp5iP
約3年前
燐光群 『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』東京公演 無事終了しました。応援してくださった観に来てくださった携わってくださった、皆さまのおかげです。ありがとうございました。12月には岡山、名古屋、伊丹に行きます。新たな空気、空間、劇… https://t.co/ghJ6dg8f2l
約3年前
燐光群の『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』を見に、座高円寺に行って来ました。 女優の重田千穂子さんがお目当て。重田さん、良く通る声で活き活きしてました。 津波で流された酒屋の人が、もう一度立ち上がり酒を復活させる話。 実際に… https://t.co/SDszV1hbUD
約3年前
座・高円寺を去る燐光群『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』。あらすじ後述。人たちの関係・思いが印象に残る。酒蔵の今後についての親族会議のシーンでは10人以上の演者が舞台上で思いを語る。(不慮の)圧力で変わる世界、そこから立ち上がる"… https://t.co/yXUrngWiNB
約3年前
「シアトルのフクシマ・サケ(仮)」 祝・東京千秋楽。 プレビューも良かったけど、やはり本公演は段違いの迫力。 叙事詩のような舞台。 福島、シアトル、沖縄、そしてサイパンにもつながる物語。 震災による時間の流れを縦軸、個人の… https://t.co/HZxQ2BPxW2
約3年前
話題の公演 4.7(3) 燐光群/シアトルのフクシマ・サケ(仮)~11/28まで 4.5(6) NODA・MAP/THE BEE~12/12まで 4.5(3) ニ兎社/鴎外の怪談~12/5まで 4.5(3)… https://t.co/xiDtjmqcf8 #東京観劇カレンダー
約3年前
燐光群は若手が大役で客演するのも特徴です。今回は大浦千佳さん(チーズtheater)が、一人二役で熱量あふれる存在感。大阪出身で近大舞台芸術専攻卒の実力派。関西のみなさま、伊丹公演をぜひご覧ください。『シアトルのフクシマ・サケ(仮… https://t.co/9IpTLJVLeb
約3年前
燐光群「シアトルのフクシマ・サケ(仮)」。幕が開けば役者の声の響きが深く染みわたる。真っ暗闇の中でも希望の種はわたしの中にある。人生の不思議を噛み締めながら。
約3年前
本日11/28(日)、千秋楽! 座・高円寺1にて14時開演 チケットは13:20より発売します シアトルのフクシマ・サケ(仮) 作・演出○坂手洋二 今日の中央線快速は高円寺駅には停まりませんので、総武線各駅停車をご利用下さい 右よ… https://t.co/mBpyQjZv9o
約3年前
燐光群の『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』名古屋公演は、12月8日(水)19:00と9日(木)14:00に愛知県芸術劇場小ホールで行われます。どうぞよろしくお願いします!https://t.co/QuRv8DCuFO 『悪魔をや… https://t.co/ISydCaWv8T
約3年前
本日、千秋楽! シアトルのフクシマ・サケ(仮) 作・演出○坂手洋二 座・高円寺1にて14:00開演 当日のチケットは13:20より発売します シアトルに行きたいなあ、シアトルに。 見届けたいの。 シアトルの叔父さんが、浜通りの… https://t.co/awS453XhwA
約3年前
◆「文藝別冊 総特集 井上ひさし」在庫あります! 大江健三郎、丸谷才一、すまけい、別役実、坂手洋二、平田オリザさん。 https://t.co/EqLKWJPbRJ #井上ひさし #こまつ座 こまつ座 #母と暮せば 母と暮せば… https://t.co/CYlS4lkEM5 #井上ひさし #こまつ座 #母と暮せば
約3年前
話題の公演 4.7(3) 燐光群/シアトルのフクシマ・サケ(仮)~11/28まで 4.5(11) TRASHMASTERS/ガラクタ~11/28まで 4.5(6) NODA・MAP/THE BEE~12/12まで →続く #東京観劇カレンダー
約3年前
12月11日(土)~13日(月)燐光群『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』の公演に先駆け、作・演出の坂手洋二さんに本作を創作するにあたっての経緯や、上演への意気込みについてうかがいました。 是非ご一読ください。 詳細は → https://t.co/sNC4IAnJRP
約3年前
話題の公演 4.6(10) TRASHMASTERS/ガラクタ~11/28まで 4.5(6) NODA・MAP/THE BEE~12/12まで 4.5(2) 燐光群/シアトルのフクシマ・サケ(仮)~11/28まで #東京観劇カレンダー
約3年前
坂手洋二インタビュー 燐光群『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』 AI・HALL共催公演として2021年12月11日(土)~13日(月)に、燐光群『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』を上演します。福島で被災し、シアトルでの酒造りに憧… https://t.co/vfj6Kj9bZq
約3年前
昨晩、坂手洋二さん作・演出の演劇、『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』を観てきました。なぜ(仮)なのか――。震災後の福島中通りの酒造を舞台に繰り広げられる物語は、死者との対話や、自身の物語を再構築するグリーフケアの話でもあるように感… https://t.co/FVqS6PgBMI
約3年前
【11/19(金)~28(日)】東京公演🗼 シアトルに行きたいなあ、シアトルに。 見届けたいの。シアトルの叔父さんが、浜通りの蔵が移ってできたお酒で乾杯する、その瞬間を。 岡山・名古屋・… https://t.co/hU2S4NaSfk #燐光群
約3年前
岡町高弥さんから頂いた感想です 11月24日、燐光群『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』を座・高円寺で見る。 燐光群としては、珍しくストレートなホームドラマだった。 東日本大震災からの再生の物語だ。 震災から10年、原発や津波の被… https://t.co/yzZqmAWBHG
約3年前
話題の公演 4.7(9) TRASHMASTERS/ガラクタ~11/28まで 4.5(6) NODA・MAP/THE BEE~12/12まで 4.5(2) 燐光群/シアトルのフクシマ・サケ(仮)~11/28まで #東京観劇カレンダー
約3年前
昨夜は日本文学・演劇研究者、ヴィクトリア大学名誉教授のCody Poulton(コーディ・ポールトン)さんを招いての坂手洋二とのアフタートークを行いました。 『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』は座・高円寺にて11/28(日)まで上… https://t.co/SRiRFgKAuK
約3年前
燐光群の『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』、ドキュメンタリーシアター的で面白かった。アフタートークは舞台を超えて広がり2倍お得。昨日は目に見えないものに翻弄される人間、別役実とラフカディオ・ハーンに展開して多様性について思いをめぐ… https://t.co/49rKWjkFl3
約3年前
「シアトルのフクシマ・サケ(仮)」燐光群(@座・高円寺) を投稿しました。 https://t.co/9NPvUdpYjA https://t.co/qyFmPaCfBh #エキサイトブログ
約3年前
アメブロを投稿しました。 『燐光群「シアトルのフクシマ・サケ」を観た。友人の「地道に行動すること、それは何にも増して尊い」✨』 https://t.co/1dKvpQJNNi #アメブロ #シアトルのフクシマ・サケ
約3年前
燐光群『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』。本編とは直接関係ないが、ここ数年舞台美術によく使われている金網フェンスは劇団の備品だろうか。社会派の作風にフェンスがよく似合う。特注品だとしても、これだけ登場していると、よい買い物をしたなと感心する。
約3年前
燐光群「シアトルのフクシマ・サケ(仮)」 ギフトチケット実施中。 たどりつけないけど、たどりついた物語。 詳しくは舞台で確認を。 東京公演はいよいよ28日まで。 (細かい部分で笑える場面もあり、そこもおすすめします😊)… https://t.co/jWVh5rODHa
約3年前
ギフトチケットを実施する燐光群『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』。観劇後、思わず検索してしまう内容です。異色の構成で家族たちの〈人生であったかも知れないもう一つのストーリー〉を描きます。過酷でありながら前向きなファンタジー。ツアー… https://t.co/pxZFqW3eOm
約3年前