満足度★★★
作曲:ミシェル・ルグラン!!美しいメロディにのせて、ドイツ占領下のフランスに咲いた椿姫。
「レミゼ」「サイゴン」の作詞・作曲者二人と、映画「シェルブールの雨傘」の音楽家ミシェル・ルグランによる本邦初演、新作ミュージカル!
と聞けば、観ないわけにはいきません。
第二次大戦中、ドイツ占領下のフランスを舞台に描かれる、椿姫をベースにした悲恋物語。
「コラボ」と呼ばれるフランス人の中のドイツ軍協力者たちは、戦時中にもかかわらずドイツ軍に取り入り、贅沢な生活をし、夜毎パーティーに明け暮れている。マルグリットもその一人だった。
やがて、ユダヤ人らの虐待が始まるが、占領から4年、フランスは解放。
フランス人のドイツ軍協力者には制裁を受ける者と、うまく世を渡り免れる者がいた。
この動乱の4年間に物語の焦点を持ってくる発想、悲恋とともにこの点に関心が行きました。
ミシェル・ルグランのメロディは美しい。
パンフレットに「映画音楽はもういいから舞台をやりたい」とありました。
確かに、最近聴かなかったのはそのためですね。
他の舞台作品も観たい、聴きたいです。
春野寿美礼さんのマルグリットは、あまりにもはかなく、悲しい。
パンフレットの稽古場写真や海外訪問の写真を見ると、寿美礼さんは素顔のほうがお美しいです。
そして、寺脇康文さんは自身のキャラクターが反映されて、ナチスの将軍にもかかわらず優しく感じられ、物語の最初では、彼を利用しようとするフランス人のほうがあさましく、寺脇さんのほうに同情してしまう。
ただ、歌はさすがに厳しかったですねぇ…。
2階席の下に2台の大型液晶モニターが設置されていて、何に使われてるのかと思い、上演中に振り返ってみると、指揮者が映ってました。
なるほと、オーケストラピットが舞台前に無いので、モニタを見て歌っていたのですね。
今回、オーケストラは直接見れないところで演奏していたようで、ちょっと残念。
ACTシアターなら舞台前下にオーケストラピットがあったから見れたのか。
幕に映ってた寿美礼さんの超特大顔写真は、一定時間おきにCGで”瞬き”していましたけれど、どういう意図が…。
まあ、面白いですが、作品のカラーには合わない、余計な趣向だったかもしれません。