そうくるのか。
旗揚げ公演で受けた強烈な衝撃は今でもまだ残っている。第二回公演は場所が岐阜だったので断念したものの、念の為に行きの電車を調べていた。そして、今回。当初はタナトスを考慮に入れていたらしく、舞台スペースがそれ相応になるのは初期段階から決まっていた様子。旗揚げがあれだけ広い場所だったので何かしらの理由があるのだろうとは思ったけれど、いざ当日に舞台美術の畳を目にした時点で少し解けました。
今やってくれて良かったというのがまず正直な感想。これが劇団として名も在り方も知られた安定期に入っていたならハイリスクな公演だった気がする。個人的にはそもそも演出の面で評価しているので、成生さんの引き出しの中身を更に観られたのは良かった。しかし残念ながらこれはかなりファン心理に偏った見方。脚本的には散漫な印象があって、物語の到達が何処に向かっているのかよく分からなかった。初見で思い入れのない人からしたら手放しで面白い芝居とは言い難かったかもしれない。そういう自分も神馬さんの脚本は手放しで好きとは言えないけど『鳥人間という言葉が気持ち悪くて好き』なんてセンスには惹かれます。