満足度★★★★
忘れることと思い出すことの関係について考えました。私は忘れっぽいのでよくリマインダーアプリを使うのですが、それは、「自分が覚えておくべきこと」を欠損させながらも、あえて記憶を自分の外部に委託することで、また自分が思い出せるようにする、という仕組みだと思います。「パンを買う」のような単純な行動であれば外部に委託した際に情報が減ることはないですが、複雑な事象や出来事の記憶を外部に委託すると、どうしても元より少ない情報量しか外部に記憶してもらうことはできないでしょう。
満足度★★★★★
本作のモノローグには、自分語りの押し付けがましさが一切なく、むしろ震災を間接的に扱うフィルターとして成功していると思いました。大勢の人が共に被災しているにもかかわらず孤独を感じたあの時間は、登場人物が語る私的な話のすぐ裏側に潜んでいるということを思い出させてくれます。
社会的な装置としての演劇の強さと、柔らかな劇空間のコントラストも印象的でした。4度目の上演ということですが、この先も続けて上演されることを強く願っています。
満足度★★★★
とにかく繊細で、真面目で、でも踏み込む大胆さもある、愚直なほどに。
入場時の案内からはじまり、そう感じさせるほど丁寧に重ねられていくシーン達だった。三鷹SCOOLでは、一列目の観客は手を伸ばせば俳優に触れられるほどの近さ。舞台上への照明によって観客の顔もよく見える。
満足度★★★★
観劇したのは3月11日の夜でした。三鷹の駅前にはまだ、会社帰り学校帰りの人たちが多く行き交っていて、そんな中、原発に反対する市民団体がろうそくを灯し、3.11の犠牲者を悼むひと時を持っているのを見かけ、「今日がその日だった」こと、9年前のさまざまな出来事を思い出しました。
「3月のあの日」の東京にいた(いる)5人の男女の、それぞれの経験(語り)を並べ、重ねる『是でいいのだ』は、そうした個人的な体験を反芻させ、言葉にさせる「扉」のような作品であったのかもしれません。
就活生、夫に離婚をつきつけられた女、離婚を切り出したものの寂しさに耐えられない男、大学5年生、仕事に悩む書店員。いろいろと中途半端な彼らの、ナチュラルな語りに滲む迷いは、確かに身に覚えがあるもので、彼らが置かれた状況(=大きな揺れや混乱を体験しながらも「被災地」のそれとは距離がある)もまた、3.11後のさまざまな「当事者」をめぐる議論を思い起こさせるものでした。5人の中では特に、離婚の瀬戸際にいる女を演じた濱野ゆき子さんが魅力的でした。
5人のキャラクターは確かに異なり、その話の内容は、場所や固有名詞などを交えたとても具体的なものです。ただ、互いに距離を縮めたり、重なったり、離れたりする物語展開、場面構成によって「誰がいつどこで何をしたのか」はかえって曖昧にされ、物語世界、そこでの人物の配置が明確な像を結ぶことはありません。さらに作中には敢えて時代を混乱させるような錯誤も用意されていたようです(あれ?と思って見ていましたが、後に山﨑健太さんのレビューで得心しました。https://artscape.jp/report/review/10161214_1735.html)。登場人物たちはやがて、とりあえずの救いとしての「是でいいのだ」にたどり着きますが、物語はそこで閉じられてはいないでしょう。「是」は、皆に同じでも、いつも同じでもないはずですから。
満足度★★★★
同じデザインの小さなチラシ、同演目をキャストを変えながら再演を重ねる形態に腰の据わった姿勢が滲み、何度か足を運びかけたが漸く叶った。
3・11を首都圏で体験した9年前が蘇る内容。被災という状況はドラマの下地を提供するが、本作は意外性を狙ったのでない「典型」と言える凡そ三つのエピソードを独自な文体で立ち上げ、時間経過と共に描いた「人間の記録」であり、「記憶の装置」。その後何年間か覆っていた暗鬱な気分の始まりの日の皮膚感覚を、私は久しく忘れていた。SCOOLという空間に照明を効果的に用い、想像を助け、情景を浮かび上らせていた。
主に若者の一人語りで構成された現代口語劇。3.11に観るのにふさわしいお芝居だったかも。上演時間は約2時間15分、5分休憩込み。受付に消毒液があり、マスクも配布。途中休憩で換気。終演後のトークはドア開け放し。座席間にも余裕あり。
この公演に関するtwitter
初日1週間前から「団体名」と「公演タイトル」を含むツイートを自動表示します。
(ツイート取得対象にするテキストは公演情報編集ページで設定できます。)
それはともかく『是でいいのだ』2020ver.の細井くん(加賀田玲)と別居妻(濱野ゆき子)はめちゃよかったのだった(小田尚稔の演劇に出る俳優はみんなチャーミングに見えるということが前提かつ再演される度にこう思ってる気もするが)。
5年弱前
一昨日「是でいいのだ」の公演を無事に終えることが出来ました。大変な時期にご来場下さったお客様、関係者の皆様ありがとうございました。次回公演は4月10日から新宿眼科画廊にて「凡人の言い訳」の公演を予定しております。… https://t.co/jrBEv7Wq8N
5年弱前
小田尚稔の演劇観劇。ずっと気になっていたのに足を運べていなかった『是でいいのだ』。今年ようやく観ることができた。『道徳形而上学の基礎づけ』『実践理性批判』などにおけるカントによる記述と、それを引用するフランクルの記述を下敷きとして、制御できない状況に生きる5人の人物が描かれる。
5年弱前
@mikanyokutaberu 先日拝見した「是でいいのだ」が面白かったので申し込みさせて頂きました。楽しみにしております!
5年弱前
小田尚稔の演劇『是でいいのだ』全ステージ終演致しました。 自分のこれまでと、またこれからについてを色々と思い出し、考える時間を過ごせました。今、この作品に関われたことを幸せに思います。 ご来場くださった皆様、気にかけてくださった皆… https://t.co/mpu4UAlDCY
5年弱前
小田尚稔の演劇『是でいいのだ』無事に五日間全八ステージを終えました。最後までこの作品を皆様にお見せすることができて、また、連日劇場まで足をお運び頂いて、本当に嬉しく思います。是でいいのかと是でいいのだを離さずにやれたらと取組ました。 https://t.co/LDLoER6lma
5年弱前
小田尚稔の演劇 『是でいいのだ』を観てきました。3月11日とそれからをぼんやり過ごしてきた日々をつらつら思い返して、思い出せないことは、思っていなかったことなかなぁと感じておりました。
5年弱前
小田尚稔の演劇『是でいいのだ』観た。ストレートに、これでいいのか?と思った。おそらくほかの人たちが癒しや肯定感を感じている(だろう)この作品の内外のいろいろに、批評性の不在、距離をとったり知ろうとしたりする姿勢のなさを感じてしまった。カントの引用もかなりモヤモヤした。
5年弱前
この前、初日に観に行った舞台、小田尚稔氏の『是でいいのだ』の原作小説(?)を本屋で見かけたので、買って読んだ。小説としては理解できる。小説の内容ありきで演劇化すると、ああなるのか。なるほど斬新。 会話劇とはまったく違うのだな…。… https://t.co/6DTdgSnSS6
5年弱前
三鷹で、小田尚稔の演劇「是でいいのだ」。このご時世に、あのご時世の話。無事、今年も見られて良かった。悲劇喜劇は完売のようだったので、書店で注文しよう。
5年弱前
小田尚稔『是でいいのだ』とてもよかった。震災が起きた2011年3月11日前後の東京を生きる5人のモノローグ。日々の小さな生活の肯定だと感じ、何度も何度も再演してほしいと切に思った。
5年弱前
小田尚稔さんの『是でいいのだ』を 見た帰り、中央線の人身事故が。 あのゾーンで、起きたらしいです。 「丁度」とかじゃないけども。 おうちに帰るまでが、という感覚。
5年弱前
小田尚稔『是でいいのだ』@ scool 上京して初めて住んだ場所が東久留米その後、三鷹、吉祥寺で暮らし、六本木のsuper deluxeで「三月の5日間」を観て過ごした自分の人生と妙にリンクしてて不思議な舞台体験だった。 そんなあ… https://t.co/zRoztDCidS
5年弱前
小田尚稔の演劇「是でいいのだ」再演から3年連続3回目の観劇。毎回同じお話のはずだが、役者陣の魅力と、おそらく随所に改変、アレンジされている脚本と、「おそらく」としか言えない記憶(の不確かさ)と、じっと見守るようにも戸惑っているよう… https://t.co/Cj0GgU3vTB
5年弱前
「是でいいのだ」小説版が載ってる『悲劇喜劇』はこちら。上演の感触をそのまま残しつつ/であるがゆえにとってもヘンな作品だと思います。おもしろくさらりと読めるけど、精読すると底なし、みたいな。 https://t.co/REqN2dTPhU
5年弱前
演劇版「高架線」に出てた濱野ゆき子さんが今年の「是でいいのだ」に出ていて、ああ高架線の日暮皆美さんを思い出すなあ、と思ったけどその時思い出しているのは誰のことなんでしょうね。劇中で濱野さんが持ってた傘が超かわいい。
5年弱前
昨夜三鷹SCOOLで小田尚稔の演劇「是でいいのだ」2020年版を観。中止になった昨日のイベントでご一緒するはずだった笑福亭智丸さんと。毎年観てるけど今年は印象が違った。役者さんや演出の違いによるものもあるだろうし、時勢の影響もあったはず。今年観た「是でいいのだ」もよかったです。
5年弱前
小田尚稔の演劇『是でいいのだ』 本日最終日です。 無事この日を迎えることができて胸が一杯です。 14時-/19時-の2ステージ、上演時間は約2時間20分程(途中休憩込)です。三鷹SCOOLにて。 当日券ございます! 詳細:… https://t.co/dPyAVr6lgU
5年弱前
昨日は滝口悠生さんにお誘いいただき三鷹のSCOOLで小田尚稔の演劇「是でいいのだ」を観劇。9年前のちょうど今ごろ。語りと台詞のあり方が刺激的な芝居でした。よく飲みました。楽しい夜になりました。 https://t.co/7HKmJraKrs
5年弱前
【千秋楽】「是でいいのだ」の公演、三鷹のSCOOLにて本日は14時開演と19時開演の二回公演で御座います。上演時間は2時間15分程度を予定しております(途中休憩が御座います)。当日券につきましては各回販売致します。本日最終日です! https://t.co/ZUhFVI47jb
5年弱前
小田尚稔の演劇『是でいいのだ』4日目も無事に終わりました。雨雪の中、ご来場頂きありがとうございました。本日は昨年の相手役だった南さんが記録映像を撮ってくれました。DVD化楽しみ。明日2ステージやっておしまいです。お待ちしております。https://t.co/WAONsxNxyr
5年弱前
SCOOLで「是でいいのだ」観劇。311当日は行けなかったけど毎年この時期に上演し続けてほしい。登場人物の就活生のあの子が早くお家に帰り着けますように。
5年弱前
小田尚稔の演劇『是でいいのだ』 4日目終演いたしました。 お足元の悪い中ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。 毎日、元気をいただいています。 明日が最終日になります。 もしよろしければ、見届けていただけたら嬉しい… https://t.co/zspL3puok4
5年弱前
『是でいいのだ』明日までなので本当に観に行ってほしい作品です。毎年3月11日前後に上演されることの社会的な大切さと、個人の中でこの作品を大切にしていきたい2つの気持ちがある。
5年弱前
先日、小田尚稔の演劇『是でいいのだ』を観た。もうこれで観るのは3回目になるのだけれど、何度だって観れるし観るたびに自分がどんな状況にいても肯定しようと思える作品だ。
5年弱前
小田尚稔の演劇「是でいいのだ」 。再演でこんなに鮮やかに新しいものを観たという印象を受けることは珍しい。おそらく自分自身も今少なからず揺さぶりを受けているからだろうと思う。選ばれた役者のまじめっぷりも窺え妙な癖が出るような… https://t.co/HgAX2VFRbX #拝見
5年弱前
現実のなかのフィクションの中の現実としてのフィクション(?)ということで言うと、『是でいいのだ』の初演のときに、登場する大食いの人たちが2011年の人ではないのではって指摘を升本くんがしてたな。
5年弱前
東日本大震災のときに東京にいて帰宅困難者になった人々の話である『是でいいのだ』はもともと毎年この時期に再演しているのだが、そういう作品がCoRich舞台芸術!まつりでグランプリを獲って再演資金として使うことが前提の賞金を獲得する、… https://t.co/sNw9oiUS00
5年弱前
是でいいのだルートを逆に辿って西新宿へ。
5年弱前
小田尚稔の演劇『是でいいのだ』の最後の方で、花の咲いていないサボテンの鉢を持って「花が咲いていた」と言う彼女を観ながらフィクションもまた現実なのだ、ということを思った。
5年弱前
『半睡』、『是でいいのだ』への(そして『三月の5日間』への)アンサー的な側面もあるのかしらん。
5年弱前
小田尚稔の演劇『是でいいのだ』 3日目終演いたしました。ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました! いよいよ公演も折り返しを迎えることができました。 本日は14時-/19時-の2ステージ、三鷹SCOOLにて。当日券ござい… https://t.co/uiA7iLwQCB
5年弱前
『是でいいのだ』初日アフタートークで、小田君が何度も西村賢太って言うの面白かった笑
5年弱前
【四日目】「是でいいのだ」の公演、三鷹のSCOOLにて本日は14時開演と19時開演の二回公演で御座います。上演時間は2時間15分程度を予定しております(途中休憩が御座います)。当日券につきましては各回販売致します(お昼の回は僅少で… https://t.co/oYs9VSxFR1
5年弱前
小田尚稔さんの「是でいいのだ」を初日に観に行きました。 取りこぼしたくない!と思って夢中になって観ていて120分があっという間だった。今の時期、あの場所で、自分の状況も重なって、本当に観れてよかった。 役者さんの表現力が豊か。演出と構成もとても好き。考察を深めたくなる。
5年弱前
三日目の公演終了致しました。ありがとうございました。『悲劇喜劇』掲載の「是でいいのだ」が『文學界』四月号「新人小説月評」にて取り上げて頂いております。本日掲載誌を頂きました。ありがとうございます。公演はこの土日まで御座います!… https://t.co/i6cyz5dH8X
5年弱前
是でいいのだ、毎年見ちゃうな、毎年やってほしい
5年弱前
今年も「是でいいのだ」観ました。 SCOOLのあの空間に、ミラーボールの光と音楽とそこにいる人の声と、なんか泣きたくなるような、笑いたくなるような気分になりました。上手く表現できないけど、本当によい作品なので観てほしい。 https://t.co/sYwNZv3m8b
5年弱前
最近は劇場から足が遠のいていたが昨日はどういうわけか三鷹まで舞台を観に行った。小田尚稔の演劇「是でいいのだ」@mitakaSCOOL 公演中止が相次ぐ中、懸命に上演を行なっている団体をまずは応援したい。 予定が合えばできるだけ行くようにしよう。
5年弱前
小田尚稔の演劇『是でいいのだ』、毎年この季節に行われる再演をほぼ毎回観ているのだけど今年のキャストもとても良かった。自分を奮い立たせようとする役者たちの真に迫る表情と、セリフがかき消されるほどの大音量でかかる名曲の数々に胸が一杯に… https://t.co/hwJ7oFq2o9
5年弱前
【三日目】「是でいいのだ」の公演、三鷹のSCOOLにて本日は19時開演の公演で御座います(本日のみ夜だけの一回公演です)。上演時間は2時間15分程度を予定しております(途中休憩が御座います)。当日券につきましても販売致します(当日… https://t.co/XpGf2NZcG8
5年弱前
小田尚稔の演劇『是でいいのだ』2日目終演いたしました。 ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。 昨日も無事に迎えられたこと、また最後まで見届けていただけたことが心から幸せです。 本日は19時からの開演となっておりま… https://t.co/Ppmd9mnkfJ
5年弱前