『死なない男は棺桶で二度寝する』 ＆『オハヨウ夢見モグラ』

ポップンマッシュルームチキン野郎（東京都）

公演に携わっているメンバー：15人

団体紹介

２００５年結成。ナンセンスな笑いと重厚なドラマ性という一見アンビバレントな要素を両立させた作風が特徴。強烈なメイクや着ぐるみなども多用し、劇場という空間でしか成立し得ない奇抜なキャラクターも数多く登場する。また、作品において「笑い」は重要な要素ではあるが、それ自体を目的としない作品づくりがモットー。
受賞歴は、２０１２年度サンモールスタジオ最優秀演出賞、黄金のコメディフェスティバル２０１３年・２０１４年と２年連続グランプリ、CoRich舞台芸術アワード！２０１６第５位など。
２０１５年、渡辺徹（文学座）を迎えた『独りぼっちのブルース・レッドフィールド』で動員３０００人突破。２０１６年夏には『うちの犬はサイコロを振るのをやめた』で初の東京・大阪公演を成功させる。
また、学生やアマチュア劇団に対しては脚本の上演料無料を掲げており、劇団作品は各地の高校・大学の演劇部を中心に上演されている。

応募公演への意気込み

不老不死でありながら、その事実を知られた人間には自分の存在を一切記憶してもらえないという孤独な境遇を背負った男の人生を描く長篇『死なない男は棺桶で二度寝する』と、３６５日のうち、たった２４時間しか起きていられない青年（通称モグラ）の口から語られる、幾つかの物語を綴った短篇作品集『オハヨウ夢見モグラ』の二本立てになります。
どちらも完全に独立した物語ではありますが、共通するテーマや登場人物を持ち、長篇でしか語り得ないカタルシスと、短篇作品集でしか描き切れない物語の多様性を、二本立ての公演の中で両立させようという、欲張りな企画です。単純に二つの公演を同時に行うことになるので、労力も尋常ではないと思いますが、「２００分の壮大な作品をつくる気持ち（各作品１００分を予定）でいこう！」と劇団員一同、士気を高めたところです。
また、みどりの日には来場者全員に特製エコバッグプレゼント、こどもの日は未成年全員無料にするなど、制作的なアプローチという意味でも様々なチャレンジをしていくつもりです。

※審査対象作品：『死なない男は棺桶で二度寝する』

将来のビジョン

２０１７年２月４日、我々は劇団として１３年目を迎えました。幸か不幸か、沢山の人々に支えられ、我々はここまで辿り着くことが出来ました。でもこれは、決してめでたいことだけではない、と考えています。
「１３年もやってきて、我々の名前を知っている人が、この国にどれだけいるのだろうか」
「自分の信じる作品は、本当にこの世界の頂点まで届き得るものなのだろうか」
沢山のメンバーが、力尽きていきました。素晴らしい実力や才能を持った者も多数いました。そして彼らが力尽きた理由の多くは「将来が見えないこと」でした。
・・・主宰としての力不足を感じました。劇団のおかげで、（度重なる幸運もあって）僕個人としては脚本や演出を何とか職業にすることが出来ました。でも、そこに満足感を得たことは、これまで一切ありません。前述の命題の答えが、出ないからです。この１３年間、１日たりとも「自分が劇団を続ける意味」について考えなかった日はありません。
そして最近、ようやく辿り着いた結論があります。
劇団とは・・・つまるところ、【人と人が出会う場所】なのです。
素晴らしい【人】を抱えている劇団には、その存在を世間の人々に出会わせる責任と義務があるのです。それを怠けたり、力を尽くせなかった劇団は、この世界から消えていくのだと考えています。
今、我々ポップンマッシュルームチキン野郎は、２０１８年の大型企画に向けて動き出そうと考えています。そして２０１７年は、その為にも所属俳優たちを沢山の皆様に【出会ってもらう】一年にする所存です。その為の二本立て公演であり、その為の短篇作品集（多くの俳優を主演させられる）でもあります。今年の秋にも同様の企画で、沢山の御客様に、沢山の俳優（そして脚本と演出）と出会ってもらうつもりです。

我々は、全員が演劇を作ること、そして物語を綴ることを職業に出来る団体を目指しています。その布石として、沢山の観客に劇団員が【出会ってもらうこと】が２０１７年の目標です。