昨年2021年9月、29歳以下の俳優に無料で指導する「演劇無料塾」という無料の私塾をスタートさせました。
https://note.com/player0440/n/n2787349e6708
選考によって選ばれた8名(応募者37名)とともに計100時間の俳優修行。
約3ヶ月かけて走り切りました。
その身削り企画を再度開催することにしました!第2回演劇無料塾!
とはいえ、流石に前回のようにお金をどこからももらわずにやるだけの余裕はないので、クラウドファンディングを行い、その資金を集めることにしました。
それもただのクラファンではなく「ベーシックインカムシネマズ」さんの協力の下、今回はその活動の様をドキュメンタリー映画にします。
こちらの詳細は以下に記しておきますので、是非こちらのご支援もどうぞよろしくお願い致します。
https://motion-gallery.net/projects/BICinemas-10
※映画に関して、稽古の様子を時たま撮影しますが、事務所との契約の関係やプライバシーにより、映ることが難しい人は個別で対応し、映らないようにするのでご安心ください。逆に映りたい人はめちゃくちゃ映します。
■なぜ無料なのか?
成長することへの言い訳をなくすためです。
これまでたくさんの若手俳優達に出会ってきましたが、皆口を揃えて言う言葉が「お金がない」です。
これは多くの俳優が抱える、いわゆる定番な悩みでもあると思うのですが、若い世代にとって深刻なのは、それによって学ぶ機会を失ってしまっているということです。
僕は今年で31歳になりましたが、幸いにも金銭面に余裕があった僕は、20代のうちに日本はもちろん、世界を回って、数々の優秀な指導者達から指導を受け、貴重な体験をたくさんさせてもらいました。
そしてそうやって経験したことが、今の自分のパフォーマンスや指導に、存分に生かされていることも自負しています。
このように、20代までの経験がかけがえのないものだということを身に染みて知っているからこそ、お金を理由に学べない人達に、その機会を惜しみなく与えたいと思ったのです。
■なぜ日程を決めないのか?
下記の詳細に記してありますが、この演劇無料塾には日程がありません。
日程は、参加が確定した人達で話し合って決めます。これは「お金がない」という悩みの次にくるのが「時間がない」だからです。
都合の合う時間がないから、学びたくても学べないという人のために、「後で皆で決める」という手段で、その悩みを取り除きました。
■100時間とは?
この無料塾の総時間です。
参加者が確定したら、2022年4月以降で稽古日程を決め、100時間という時間を振り分けていきます。例えば、3時間のワークを週2回、6時間のワークを週1回と言った具合です(どちらも16〜17週、約4ヶ月くらいになります)
長くても4ヶ月に収め、よっぽどの事情がない限り、100時間ぴったりを使い切り、終了します。
■僕が大切にしていることは?
僕が演劇無料塾をやる上で、大切にしていることは2つです。
1つは、プロアマ関係なく「良い俳優」を育てること。
現在イタリアで活動中の演出家・井田邦明さんがこんなことを言っていました。
「俳優にプロアマはない。だが良い悪いはある。」
実際、俗に言う「売れている俳優」の中にも悪い俳優はいるし、サラリーマンをやりながら演劇をやっている人の中にも良い俳優はいます。
ここでは、より売れるためではなく、より良くなるための稽古と指導を行っていきます。
もう1つは、世界一ではなく、最高の自分になること。
100人俳優がいれば、100人の良さがあります。特に多様性が重要視されるようになってきた現代において、自分の良さを生かしていくことは大切です。
ここでは、参加メンバーそれぞれが、自分の良さを発見し、最大限に活かすことが出来るための稽古と指導を行っていきます。
■スローガンは「Tread the Stage」
「Tread the Stage」とは「舞台に立つ」ということですが、この「Tread」には「立つ」という日本語より強い「踏みしめる」という意味があります。つまり「しっかり立つ」ということです。
多くの俳優は舞台を恐れています。舞台に出ると緊張、不安、恐怖を感じ、いつもの自分よりも身体や心が動かないことが多々あります。そして弱い自分を隠し、偽りの自分を演じ、誤魔化し、虚勢を張って演じる。これを「舞台に立っている」と言えるでしょうか。
この演劇無料塾では、100時間を使って「Tread the Stage」を目指します。
それは舞台に立つことへの恐れをなくし、身体と心を最大限に使って、自由で創造的に演じられるようになることです。
100時間を終えた皆さんに「演劇はPlay(遊び)であった」と心から実感出来るような体験をお届けします。
■どんなことを教えるのか?
世界中で様々なワークショップを受け、数百にも及ぶパフォーマンスや公演を経験した僕が、「これは俳優にとって必須である!」と確信した4つのメソッドを主に指導します。
①インプロ
僕の代名詞でもある、即興芝居です。「欧米では基本とされているが、日本ではほとんど扱われないTOP2」のうちの1つです。インプロは、俳優にとって、というか創作や芸術を志す人間にとって必須の精神を教えてくれます。ちなみにこの塾は、あくまでも俳優修行が目的なので、インプロが上手くなっていくことよりも、失敗や評価への恐れから自由になること、それによって創造性を最大限に発揮することを目的に扱います。
②モノローグ
3〜5分程度の短編一人芝居のことです。「欧米では基本とされているが(以下略)」のうちのもう1つです。日本初のモノローグ集「穴」を出版し、アメリカで演技や映画を学んだ、映画監督の渋谷悠は「向こうではインプロと並んで、俳優の必須科目だったが、日本では名前すら知られていないということに驚いた」と言います。この塾では、演技(どう演じるか)と演出(どう見せるか)の土台作りとして扱います。
③クラウン
人に笑われる道化のことです。クラウンは、舞台上で本当に輝く「あなた」がどこにいるのかを教えてくれます。俳優は「見せたい自分」を表現したがり、ありのままの「あなた」を隠したがります。なぜなら、それが弱く、恥ずかしい、を見せたくない自分だからです。しかし、そんな「あなた」が顔を見せた時、お客さんはあなたを笑います。それがクラウンです。その時初めて、舞台上で本当に自由になり、本当に輝くことが出来るのです。
④マスク
仮面のことです。ニュートラルマスク、キャラクターフルマスク、キャラクターハーフマスクなど、演劇の世界には様々な種類の仮面が存在します。仮面を被ることで、自分の身体が浮き彫りになったり、いつもとは違う身体や声を獲得することが出来ます。舞台表現とキャラクタリゼーションにおいて、自分だけでは達することの出来ない領域に、仮面は導いてくれるのです。
これらに加えて、朗読、戯曲読解、シーンワークについても扱います。
■過去参加者感想
https://note.com/player0440/n/n1c4179f121c8
〜演劇無料塾 詳細〜
■日程
2022年4月からスタートし、約4ヶ月で終了する予定。
参加者が確定したら、メンバー全員で100時間を振り分ける。基本的には決まった曜日時間帯で毎週行うが、柔軟に対応する。
■場所
都内施設。
情勢によってはオンラインも止むを得ないが、基本感染症対策を徹底し、マスクをつけて対面で行う。
■料金
無料。
会場までの交通費、シーンワークで必要になる戯曲の印刷代、衣装小道具代は自己負担。少なからず先述した「モノローグ集「穴」」は購入必須となる。
■対象
100時間の俳優修行をしたい29歳以下の方なら誰でも。
■定員
8名。
選考します。が、8人も取らない可能性もあります。
■講師
忍翔(OSHOW)
https://playerosho.com/
■注意事項
・基本的に確定した日程には、全回参加をしてください。病むを得ない事情によって欠席もしくは遅刻される場合は事前連絡を必ずしてください。無断欠席や遅刻が続く場合は、退塾させる場合がありますので、ご了承ください。
・言動や行動によって、他の参加者への安全安心が確保出来ないと判断した場合も、退塾の対象となります。お互いに愛と敬意を持って接してください。
■申し込み方法
playerosho☆gmail.com(☆→@)宛に、
件名を「第2回演劇無料塾」として、以下の内容を明記して送ってください。
①名前(ふりがな)
②年齢
③絶対NGな曜日時間帯(例:火曜全日、水曜〜17時、金曜18時〜)
④30秒の自己PR動画(携帯での撮影可)
※受講動機や目的がわかるようにしてください。
⑤演技動画(携帯での撮影可)
※以下の文章を声に出して読んでいる動画を送ってください。読みながらの朗読はNGです。覚えて読んでください。動いて演じても構いません。
どっかに行こうと私が言う
どこ行こうかとあなたが言う
ここもいいなと私が言う
ここでもいいねとあなたが言う
言ってるうちに日が暮れて
ここがどこかになっていく
締め切りは2022年2月28日(月)の24時です。
選考後、3月4日(金)までに全員に合否通知をメールでお送りします。