7日間のワークショップで、
リピテションエクササイズを中心としたマイズナーテクニックのトレーニングに集中的に取り組み、
最終的に台本を使ったシーンワークで、このテクニックがどのように演技に活かせるかを探求します。
(リピテションエクササイズ:ペアになりパートナーを観察し、相手の挙動を言葉にし、お互いその言葉を繰り返す。単純な繰り返しにより思考を取り外し、本能と繋がった真実味のある演技を目指すためのエクササイズ。スタニスラフスキーのアメリカでの弟子、サンフォード・マイズナーが考案した)
マイズナーテクニックのやり方も様々なのですが、私はロンドンのインパルスカンパニーでスコット・ウィリアムズ氏と出会って、より純粋に相手を受けた演技でスリリングなシーンが作れると実感しました。
帰国後、日本でも同じ演技の言語が共有できる仲間が欲しいと思い、これまでワークショップを継続しています。
「このセリフでこうしたい」「良く見せたい」、あるいは「こんなことをしては、いけないんじゃないか」といった考えを手放し、相手にフォーカスし、相手から受けた衝動に反応することで、相手に動かされる感覚を体感してもらい、目の前にいる相手と今この瞬間本当に関わることができる力をつけてもらいたいです。
このワークショップでは、演技をする「俳優モード」の俳優同士がセリフを順番通りに喋るのではなく、そこに居る人間同士が本当に関わり合うことを目指します。
なので、いきなり「台本のシーンを演じてみよう」ということはしません。
「シーンを演じる」ために必要なものを、リピテションエクササイズや様々なワークを通じて、分解し、再構築していきます。台本読解はおそらく一番最後になるでしょう。
愛するにしろ、憎むにしろ、他者に影響を与え合い、本当に関わるのは、たとえそれが虚構のなかであっても勇気が要ることで、怖いことでもあります。
でもそこに踏み込み、俳優の心が本当に響き合っていれば、必ず観ている人の心を動かす美しい瞬間が生まれるはず。
未知に飛び込み、どこに行くか分からないということも含めて、一緒に楽しみましょう。
【このワークショップを受けるメリット】
ポジティブで安全な環境のなかで失敗を気にせず、好奇心を持って積極的に挑戦することができる。
集中的に取り組むことにより、マイズナーテクニックの技術を積み重ねていくことができる。
マイズナーテクニック未経験者でも、要点の説明があるので理解できる。
自分の頭で考えた演技や自分ひとりで作る演技から脱却して、相手を受けた演技ができる。
自意識から逃れ、常に「今」にいることができる。
考えないこと、守りに入らないことで、結果的に「個性」が出てくる。
リスクを取って、より相手に影響を与えることができるようになる。
マイズナーテクニックのトレーニングに加えて身体的なゲームも取り入れることで、より衝動的に大胆に反応できる状態で相手と関わることができる。
学んだテクニックを実際にシーンを演じるのに使うことができる。
― これらによって、観客から観て「生きている、信じられる」演技ができるようになる。
【対象】
俳優、演出家など演技に携わる方。演技に興味があるダンサーも可。
マイズナーの経験がなくても大丈夫です。
新しいものを吸収し向上するために真摯にチャレンジする意志のある方。
【日時】
3月
9日(月)10:30~17:00
10日(火)10:30~17:00
15日(日)10:30~17:00
16日(月)10:30~17:00
19日(木)10:30~17:00
21日(土)10:30~17:00
24日(火)10:30〜17:00
(計7日間)
過度でないNG、遅刻・早退は基本的に可といたします。事前にご相談ください。
【会場】
高円寺K'sスタジオ
【参加費】
27,000円
①「リピテション割引」 1,000円引き (これまでに西村壮悟によるマイズナーワークショップに参加したことがある「リピーター」の方対象)
②「早割」 2,000円引き (2月15日15時までにお振り込みの方限定。)
③「学生割引」 22,000円(大学、専門学校、養成所等に所属している方。一年以上の期間レッスン・授業が週3日以上あることが条件。今春卒業予定の方も含む)
【参加お申し込み方法】
メールにてお申し込み。
so5246ra@gmail.com
まで、
件名を「3月WS参加申し込み」とし、
本文に下記を明記のうえ、ご送信ください。
①お名前(ふりがな)
②ご年齢 (例)「30代中頃」等、だいたいでも結構です
③ご連絡先(電話番号とメールアドレス)
④(あれば)ご所属
⑤(もしあれば)期間中のNG、遅刻・早退
⑥マイズナーテクニック経験の有無(あれば、どこかも)
⑦出演歴や養成所でのトレーニング等、主な経歴
⑧このWSを何で知ったか
その後、こちらから返信いたしますメール記載の銀行口座に参加費をお振り込みいただき、
ご入金の確認が取れた時点で、ご参加が確定し、参加枠が確保されます。
(メールのお申し込みだけでは確定とはなりません。お申し込み時に空きがあってもご入金まで間が空いてしまった場合、後から申し込まれた方が先にご入金され、枠が埋まってしまうこともありますのでご注意ください。)
※キャンセルポリシー
天災や主催者の都合によるキャンセルの場合を除き、直前のキャンセルは以下のキャンセル料を頂戴いたします。
ワークショップ初日1日前(3月14日)〜当日→参加費の100%、2日前(3月13日)→参加費の50%、3日前(3月12日)→参加費の30%
また、キャンセルによる返金の事務手数料として500円を頂戴いたしますのであわせてご了承ください(全額キャンセル料発生の場合を除く)。
NG、早退・遅刻は基本的に可といたしますので、(シーンワークのペア決めのため)分かり次第ご連絡ください。
【定員】
12名程度
※最少催行人数を6名とさせていただきます。参加希望者が万が一6名に満たなかった場合は各日の時間を若干短縮、または開催をキャンセルさせていただく場合があります。
【これまでのワークショップ参加者の感想】
「今回僕が何よりも収穫に感じたことは、リピテーションのワークの延長線上としてテキストに取り組むことができ、
そしてその効果を強く感じることが出来たことでした。
相手役から入ってくる情報量が格段に上がり、そこから生まれる衝動にちゃんと気付く、そしてそれに従うことを自分に許す、
そうしても大丈夫なんだと知ることが出来ました。」
― ホリユウキ
「稽古場に、利害関係がなく、萎縮したり威圧されたりが皆無で、もうどれくらい久しぶりにこんなに自分のためだけのレッスンを受けられてるか、、、思い出せないくらいです。うまくいかないことも恐れず、試す場所がもてて、ほんとにラッキーでした。」
― 間瀬英正
「『僕は、素直で良いのだ』
一番の収穫だと思います
人間の動物性(野生)を自身で認識し許せたとき、初めてコミュニケーションの根源、その入り口が開くんじゃないかなと感じました
本能的であればあるほど、行動と目的の核が自ずと拾えてくる
そこから人間性(社会性)をくっ付け始めて、生活の中に居るワタシに成っていくのかなと
時間がかかるけど、一切無駄が無い
技術に昇華されたとき、きっと物凄い速度でその過程をクリアし、戯曲の、生きた人としてアナタと対面できる気がしました」
― 関淳平
【講師プロフィール】
西村壮悟
新国立劇場演劇研修所2期生修了。
マイズナーテクニックを柚木祐美氏、スコット・ウィリアムズ氏から学ぶ。
主な出演作品に『邯鄲』 『星の結び目』 『アルトナの幽閉者』 『うれしい悲鳴』 『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』 『サロメ』 『雨』 『真田風雲録』など、蜷川幸雄氏、栗山民也氏、宮田慶子氏、宮本亜門氏、上村聡史氏、谷賢一氏、吉田小夏氏、広田淳一氏らの演出作品に出演。
文化庁新進芸術家海外研修制度で2017年から約一年間ロンドンに留学。 ジェレミー・ストックウェル氏、スコット・ウィリアムズ氏、木村早智氏に師事。2018年よりホスピタルシアタープロジェクトに参加し、主に障碍を持つ子どもと家族のための演劇を創作している。