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カテゴリ:出演者募集 返信(4) 閲覧(248) 2011/08/25 10:59
莉里 「鍵、自転車の、暫く乗ってていいよ」
玲央 「…ありがとう」
莉里 「直しといて」
玲央 「何を」
莉里 「さっき、蹴飛ばして壊したでしょ、鍵」
玲央 「わかった…ごめん、直しとく」
莉里 「ついでに、私の病気も治してくれない?」
玲央 「…だって…病気じゃないんだろ」
莉里 「…」
上から食べかけのリンゴが落ちてくる。
玲央 「おい…」
リンゴを拾い上げる、玲央。
何故かリンゴの中央に穴が空いている。
玲央 「何だよ、これ」
莉里 「今の私…」
玲央 「…」
莉里 「そんなにポッカリ穴があいちゃってたら、何の役にも立た
ないよね」
玲央 「…いや、別に大丈夫じゃん、リンゴなんかどんな形でも食
べれるじゃん」
莉里 「リンゴの話なんかしてない」
玲央 「…わかってるけど」
莉里 「じゃあ、リンゴの話する」
玲央 「何?」
莉里 「そうやって、リンゴに穴をあけて、耳をあてると大切な人
の想いが聴こえるんだって」
上の方で窓が閉まる音がする。
玲央 「おい…」
玲央はゆっくりと、穴のあいたリンゴに耳をあててみた…。
鳴海 「ちょっと待って、それ、返して、パパに買ってもらった大事
な物だから」
莉里は鳴海の方に振り向きスティックコームを差し出した。
鳴海がそれを取ろうとするが、莉里はスティックコームを落
とした。
莉里を連れていく紅瑚、愛理、それに付いていく遼太郎と
珠希。
その場に残された奏汰と鳴海。
奏汰は去った父、遼太郎を睨みつけているように見えた。
奏汰 「ごめんね、鳴海ちゃん」
鳴海 「…」
奏汰 「…」
鳴海 「別れる」
奏汰 「…」
鳴海 「奏汰も私も…二人とも悪くないと想うけど…別れる」
奏汰 「…」
鳴海は奏汰に一度優しく抱きつくと、俯き…去って…。
奏汰は鳴海のスティックコームを拾い上げた。
奏汰 「鳴海ちゃん、これ…大事な物なんでしょ…」
鳴海 「そんなの嘘に決まってるじゃん…大事な物だったら、大事
にするよ」
鳴海は去っていった。
奏汰は去っていく鳴海を見ることが出来ずに地面を見つめ
ていた…。
奏汰 「三年くらい前、彼女は僕の彼女ではなくなりました…凄い
好きだったのに勝手にいなくなってんじゃねぇよ! 勝手
じゃなかったら何なんだよ! 面倒くさいんだよ! 一々細
かい感情持ちやがって! こういう時にイラつくんだよ人
間は! 好きなんだからSEXすればいいじゃねぇか! 頭
で考えるなよ! でも、所詮、僕も人間なので、頭で考えて
しまいます、話が少しずれてしまいましたが、結局、妹は
精神病院に入れられて…父と母は離婚しました…僕は三
年くらい頭で考えています、頭で考え過ぎても駄目なんで
しょうか? でも、人間はこうして言葉を使えるから…とい
うか、僕達は高性能ロボットなのに高性能すぎてコント
ロールの仕方が解らなくなってしまうのではないでしょう
か…梢さんはどう思いますか?」
鳴海 「…奏汰へ…元気にしてますか…もう何度も手紙を書いて
るけど、一度も返事をくれないんだね…私からいなくなっ
たんだからしょうがないけど…あの頃の私は、間違ってた
と思う…全て受け入れられる自信があった…奏汰の家族
の事も全て…でも、私には何も出来なかった…奏汰に何
もしてあげられない自分が惨めになって…奏汰には私は
必要ないんだって…あの時…もし、私が奏汰に…『奏汰
は私の事…必要?』って聞いてたら何て答えてくれた?
当たり前のようにいつも一緒にいてくれたけど…当たり前
じゃなかったんだよね…もう、私のこと…いらない? も
し、そうだったら、ハッキリそう言って欲しい…追伸…私に
は奏汰が必要です…奏汰が吹いて聴かせてくれたピア
ニカの音色が…毎晩、目を閉じると、あなたの笑顔の記
憶と一緒に私の心に聞こえてきます…私は、あなたに愛
されていましたか?」
[カナシミノワスレカタ]
哀しみのわすれかた
あれば教えてください
本当のコタエの言葉だけ
ワタシに囁いて
いつも人は誰でも
求めてばかり馬鹿で
与える幸せを知らずに
この星を去ってく
アナタはこの世界に
もたれて空をみても
流れる不安と孤独を知らない
それぞれの自分に
話しかけてみても
コタエはいつもの嘘の中
悲しみが増えてく
コタエがあるアナタは
一人で生きれますか
ワタシはワタシと誰かと生きたい
耳許で囁いた
カナシミノワスレカタ
聴こえた言葉は言葉に出来ない
ワタシはワタシと誰かと生きたい
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