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カテゴリ:オーディション告知 返信(2) 閲覧(692) 2018/05/22 09:07
■ストーリー概要
■Aプログラム 「ラット13」
東京湾岸13号埋立地。集合住宅「トロイメライ」13号棟。間取りは2LDK。光熱費、インターネット、ケーブルテレビも無料。バーベキュースペースもある。家賃は13000円。
しかしこれだけの条件でありながら、ほとんどが空き室である。
角部屋の女はイラストライター。夢をモチーフに絵を描く。SNSに依存しがちな癖を除けば、他には特に悪い習慣も無く暮らしている。隣の部屋の男と恋に落ち、1ヶ月に1回だけセックスをする。他愛の無いおしゃべりをしながら。夕方になったらショッピングモールに買い物に行こうと約束をした。フードコートでいろんなものを食べよう。船着場でキスをしよう。トロイメライはドイツ語で「夢見心地」。彼らが叶える黄昏の静寂はまさに穏やかな夢のようだ。ただし、どういうわけか。何時まで立っても13号棟に夕暮れが訪れない。
一方、4号棟では、13号棟の住人と同じ名前を持つ男女が暮らしている。こちらはすべてが無料。
ただし、彼らはこの棟から出る事ができない。棟のいたる場所にカメラが仕掛けられ、彼らの生活を映している。それさえ気にしなければ快適なもので労働の必要も無く自由に暮らしている。生活雑貨を運ぶ管理人が彼らに「朝礼」を強要する。それは奇妙な朝礼で彼らは性に関する事まで明け透けに告白しなければならない。人権の侵害だと憤る。嫌がる彼らを管理人はこう諌めた。
「我侭を言うな。お前ら死刑囚なんだから。」
4号棟に一匹のハツカネズミが迷い込む。
人殺し同士が恋をする4号棟に、碧い夕暮れが訪れる。
■Bプログラム 「ラット11」
高層マンションにドライヴィングシアター。住宅地に無理矢理地下鉄を通したニュータウンの街並み。
郊外の工業地帯は真夜中も白い煙を吐き、ニュータウンを貫く幹線道路には赤いテールランプが蛇行する。目を瞑れば海の音が聞こえる。
彼女は橋に佇んでいた。
綺麗なニュータウンの中で街の外へと繋がるこの橋だけが朽ちている。土曜日の夕暮れには一人訪れ、手すりの錆に触れてみる。その指を口元に近づけると鉄の匂いがした。そうすると彼女は妙に安心し、その時だけは欲情する事ができた。
その日、部屋に戻ると一匹のハツカネズミを見つけた。そして彼女は、気付いてしまった。ある不自然に。ここに住み始めて11年。
この街の住人誰ひとりとして、一歩たりともこの街から出ていないことに。
それは自分が愛する彼氏もそう。それどころか、自分自身も、そう。
11年間も街の外に出ていないことに「気付かずにいた」。
9月の夕暮れ。彼女は錆の橋を目指す。橋の向こうを目指す。11年間佇むだけで渡る事をしなかったあの橋。
スニーカーを履いてマンションを出る。振り返る。もう戻らないかもしれない住居。そう思うと感傷的になった。だからその時初めてマンションの名前が目に入った。
その名は「トロイメライ」。意味は、夢見心地。
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先日にアナウンスがありました作品群
「モーニング・デリバリーズ」
「トワイライト・ヴァルキリーズ」
「サンダルウッド」
「ギープ」
「ザ・ブギー・ウィークエンド・スーパースター」
につきましては12月公演での上演を予定しております。
※上演演目について再度検討しました結果、変更する決断となりました。
情報に混乱がございました事、誠に申し訳ありません。
以下、公演企画書ver.2.1より
■企画概要
1. 2016年に3ステのみ上演された第6回公演「ラット13」とその続編的作品となる完全新作「ラット11」を織り交ぜた 「二本立て公演」 です。
2. 会話劇を軸に多様なキコの演出形態を見せる「幕の内弁当」のような作品です。
3. 「コメディ」「SF」「恋愛」「音楽」「詩」「論争」など様々なジャンルを網羅します。
4. ヴィジュアルイメージは「レトロフューチャー」×「フランス映画」です。
本公演のテーマは 「生命の場所」 です。
技術の進化に伴い、様々な事が可能になりました。今後AIが人間社会に深く関わりを持っていきます。SFの世界がいよいよ現実になっていきます。
医療の発達によって、 「生命」の定義が揺らぐかもしれません。
「生命」は見えません。実体がありません。しかし、確実に機能しています。
生命が、身体のどこに存在しているのかはまだわかっていません。
それが科学によって解き明かされるよりも早く、身体ではない場所に自分の「生命」が存在できてしまうような文明に到達してしまうかもしれません。様々な可能性が考えられます。
演劇という媒体は、生身の人間が目の前で物語を体現するという特性があります。
物語に没入すると同時に観劇が「生命の場所をさがす」という行為そのものになるよう作劇していきます。その結果、生の実感とカタルシス(浄化)を提供できたら、社会の治癒にも繋がってくるのではないかと希望を抱いております。
2018-2019シーズンにおけるキコ/qui-co.の活動コンセプトは
Let all the children boogie!
「すべての子供達にブギーを!!」という意味です。デヴィット・ボウイの楽曲「starman」の歌詞からの引用です。
観劇は、声を出したり立ち上がったりすることができません。しかし、
座ったままでもブギーを踊っているのと同じくらい高揚できる演劇。
そんな舞台を作りたい。提供したい。以上が本公演の企画意図となります。
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