お世話になっております、世田谷太郎です。
世田谷パブリックシアターがあらたにお送りする講座シリーズ『「ドキュメンタリー演劇」とは何か』が10月10日よりはじまりますのでお知らせします。
本講座では、近年さまざまかたちでの上演・実践がなされ、現代演劇において重要な手法のひとつとなってきている「ドキュメンタリー演劇」とは何なのかを改めて再考します。
いくつかの作品を具体的に検証しながら、演劇におけるフィクション/リアリティ/現実の関係性を探り、演劇に何が可能かを広く考えていきます。
ご興味のある方は下記URLより劇場ホームページより詳細をご覧ください。
☆お得な料金でご参加いただける「レクチャープログラム回数券」も販売中です!
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
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『「ドキュメンタリー演劇」とは何か』
⇒ http://setagaya-pt.jp/workshop/2010/10/post_185.html
●内容
(1)「演劇における〈ドキュメンタリー的〉なもの — その方法と可能性をめぐって」
10月10日(日)13時〜15時 講師:森山直人(演劇批評家)
最近、「ドキュメンタリー演劇」という言葉を耳にする機会が増えつつあります。かつては政治演劇の文脈で理解されていたこの方法は、いまでは観客を「虚構」と繋ぐための、あるいは「虚構」と「現実」を繋ぐための新たな方法として再認識されています。この講座では、このトピックに関する歴史的な概観を行いつつ、「ドキュメンタリー映画」のアクチュアリティ等も参照しながら、できるだけ広い視点から、演劇における「ドキュメンタリー的なもの」を考察したいと思います。
(可能であれば、ジャン・ルーシュ監督『人間ピラミッド』のDVDを見ておいてください)
(2)「ドイツにおけるドキュメンタリー演劇、その背景と歴史:リミニ・プロトコル(と)の仕事を手がかりに」
10月28日(木)19時〜21時 講師:萩原 健(明治大学国際日本学部専任講師)
近年注目されている「ドキュメンタリー演劇」のうち、戯曲や劇場、ひいては俳優といった既成の枠組みを離れ、リアリティーを追求するものがしばしばあります。その代表格と言えるのがドイツのリミニ・プロトコルの作品群でしょう。ただ、彼らのそのような作品は突然生まれたわけではなく、ドイツにはそれ以前に、何らかの、ドキュメンタリー的な演劇を生む背景や歴史があったのではないでしょうか?
本レクチャーでは、リミニ・プロトコルの日本公演で通訳および字幕翻訳・制作・操作を務めた講師自身の経験談を交えながら、ドイツの演劇における「ドキュメンタリー演劇」の背景と歴史について考察します。
(3)「ドキュメンタリーという手法」
11月11日(木)19時〜21時 講師:谷岡健彦(東京工業大学外国語研究教育センター准教授)
鉄道事故であれ金融危機であれ、現実の出来事を題材にするからといって、べつにドキュメンタリー演劇の手法で戯曲を書かねばならないわけではない。むしろ、この手法を用いると、実在の人物の発言を恣意的には変更しにくいぶん、作り手の側の自由度は大きく減じてしまう。では最近、制約の多いこの形式を採用する演劇人が増えてきているのはなぜなのだろうか。
ドキュメンタリー演劇を作る困難をも作中に描き込んでいるグレゴリー・バークの『ブラック・ウォッチ』(2009年オリヴィエ賞受賞)を見ながら、この手法の特性と魅力を考察してみたい。
●会場:世田谷生活情報センター セミナールーム
(東急線「三軒茶屋」駅前 キャロットタワー5F)
●受講料:各回1,500円(全3回)
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世田谷パブリックシアター レクチャー担当
TEL:03-5432-1526 FAX:03-5432-1559
http://setagaya-pt.jp/workshop/
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