※ 最近お芝居について思う事が色々あり、
テーマの連投失礼しますm(_ _)m
たとえば数人規模での静かな会話劇をやる時に、
めちゃめちゃ大きな舞台/劇場を選んだとしても、
劇場後方で観劇している観客には
基本的に舞台上の役者の気持ちは全然伝わってこないし、
その熱を感じる、という事も少ないかと思います。
同時にお芝居自体の迫力や面白さも伝わりにくいかと。
役者の感情やお芝居の面白さってやはり
「距離が近いほど」まずは伝わってくるものなのかなあ、と思います。
しかし、それに対して
●役者の
・ 感情の出し方、芝居へののせ方
・ 発声
・ 演技の上手さ、表現の多彩さ、
その他の所作(身振り手振り、オーバーアクションなど)
や
●お芝居の
・ 演出表現の上手さ
役者同士の絡ませ方
殺陣、立ち回り、ダンスなどの表現の細やかさとダイナミックさ
(舞台の大きさを上手く活用できているか)
音響/BGM、照明、舞台セットなどの持つ効果
・ (何よりも)物語自体の面白さと壮大さ
など色々なものの「良さ」がそこにのる事で、
・ 舞台の大きさ、観劇位置の遠さに関係なく、
舞台上のお芝居にのせられた役者や物語の持つ様々な想いが
観客の感情に伝播してくる
・ (観劇位置に)それなりの距離をもった方が
「舞台全体を眺める事が出来る」、
という事がプラスに働き、
(役者1人の演技を追うのではなく)
お芝居を全体的に(俯瞰で)楽しめる
などというメリットが出てくるのかと思います。
※ かつて300人規模の劇場にて、
物語の面白さと各役者の表現力や
舞台自体の巧みな使い方に引きこまれ、
舞台上で豆粒大にしか観えないはずの役者さんの
「感情の爆発」に劇場中が掌握された、
と思えるほどに「激しい怒りと悲しみ」という
ピリピリとしていてそして悲しい気持ちが伝播してきた事もあります。
ちょっと脱線してしまいましたが、
「お芝居の内容」と「ベストな観劇距離」について、
演劇の学問などで方法論その他は整理/確立されていないものでしょうか?
何故こんな事を思ったかと言うと、
・ 物語自体の大きさや
役者の感情が出来るだけ観客に伝播する事を考え、
とても小さな箱(劇場)を選ぶ劇団がある
それと同時に
・ 集客期待で大きな箱(劇場)を選んだは良いが、
物語の内容も演技も「小さく」感じられ、
後ろの方から観ると「面白さ」が全く伝わってこない、
何も心に響かない、という劇団がある
※ 前の方で観ればまた違う気持ちになるのかも知れませんが…
という事が、色々な劇団/プロデューサーの公演を観ていて
多々有りました。
そこで一番思ったのは、後者について
スポンサーの意向や集客への期待はあるとして、
どうして「必ずつまらなくなってしまう」という
選択をするのだろう?
という事です。
ある書籍の言葉で「感情伝播」について、
自分の作ろうとする物語/お芝居の内容について
最適な距離を選ぶ事が観客にとって
「面白いお芝居を観れる」という意味で一番大事な事だと思うのですが・・・
※ 演劇を生業にする人は、
まず「お芝居をしたい」「表現者でありたい」「観客を喜ばせたい」
という気持ちから始まっているんじゃないんですかね?
そういう意味で、「まず集客」に走り過ぎる劇団については、
ちょっと辟易してきました。
言い方は厳しいですが、「ビジネス」として考えるのなら、
「演劇」ではなく他の仕事を考えられた方が良いのではないでしょうか?